環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

文字抜粋「穰」

同じく「豊穰」の「穰」として書かれたもの。 右の「口口」部分を略しているので「穰」*1としたものか「穣」*2としたものか。なんにせよ上部が空いて足元を強調している。 常用漢字には「嬢」「壌」「譲」「醸」がある。だからついつい「穣」も同じように習…

豊穰

そして「豊穰」で検索すると一件だけ。農のことではなく喩えとして。 長篇小説が長篇小説としての構成を持ち得るためには、現実の単なる観察では不足であり、そこに作者の人間的・芸術家的な強い何かの評価の一貫性が、その理解の多様性と共に作品を生命づけ…

百穀と五穀

さっそく青空文庫検索「青検」を使ってみた。*1 括弧で振り仮名になっている部分を脚注にまわしてみた。やたらと長くなるのでやらないほうがいいのかも。 農の基 「百穀」は「五穀」に比べて例が少ない。古典の引用であったり雨乞いの祈りであったりして日常…

土井百穀碑銘

西区旭山神社の「百穀廣嶋人姓土井名積善稱善右衛門」で始まる石碑に「穀」の字があったなと思い出したものの、前の枝葉に隠れてよく見えない。 例によって浅野長勲公の題字であることが「土」の字によって見当がつくと思う。と、分かっているからそんなこと…

初冬につとめて早起き

その標柱の建てられた日を「明治四十三年十月穀旦」としている。 穀旦は良い朝、良い日という意味で、「吉日」「吉祥日」と同様。 寝苦しいよりは寒い方がまだしも希望の朝か。

文から徳へ

冬木神社の標柱は 「文輝日域」 「徳被雞林」 とある。建てられたのが明治43年。日韓併合の年、というわかりやすい文脈。 新羅三郎義光とはあまり関係がない。

楊柳観音

安佐南区西原の楊柳観音は、現在冬木神社の境内にあり、武田氏の安芸下向に遡る由緒を唱える。 法輪を打った鼎に相対して香を供える。安産の御利益があるということで、先端が尖らないようにして圧縮仕様。中心を花の形に膨らまして隙間に指が入らないように…

車輪の円

明月亭の壁に牛車の車輪。 輻が16本。十五夜を越えてなお真円。

明月亭

月にぬかずくごとく、円の中に「明月」の文字。 頼杏坪の「縮景園仮名記」にある明月亭の描写。 川ごしに見ゆる野山のすがたよりして、川船ののぼり下るさまにいたるまで、雨によろしく、雪にもあはれふかうして、折々の風情かずおほけれど、山のはを出る月…

満つれば欠くる

上弦の月。南面するとして見立てる。日が沈んで月が昇るようす。 満月めざしてぐるぐるまわる。選挙が終わると満月だ*1。 *1:深い意味はない

日光または月光

灯篭の片面に丸い穴、その反対側に三日月型の穴。 月の部分が半月型のものもあるけれど、三日月型の場合、日食途中の漏れ出る太陽光にも見える。

天駈ける星神

比治山神社*1はもと黄幡大明神という。 入口近くの灯篭は、石の中台の上に木枠でできた火袋があって、「亀甲の中星*2」の紋が据えてある。 羅睺*3は日食・月食を起こすとされる架空の星。八将神の一つ黄幡神として信仰された。 *1:広島市南区 *2:由緒書きに…

地を這う電気

電球を具えた灯籠を殿前にお供え。

庶人安政、百姓昭明

まさに大書の「常夜燈」。 「監視カメラ起動中」のような効果が狙える様子。 「常」の上部が大きいのは光っているから、と思うなら、ムになっている口の部分が灯明皿に見えてくる。 「安政三丙辰*1四月」の石灯籠を「昭和三十三年*2十月吉日」に再建立したと…

辛亥の往く年来る年

藤杜神社社前の常夜燈は「往来安全」と大書されている。「往」の旁は「生」。 側面上部に「明治四十四稔 亥三月」、下部に「西土手 氏子中」とある。中央の空白はでこぼこしている。