横川駅のすぐ北、三篠小学校のすぐ南の三篠神社の地もまた、市街地の中にこんもりと木々を茂らせている。
ガード下に近い表参道は被爆礎石*1でまっすぐな道が続き、県道の生活音と境内奥の静けさとを隔てる。
北側の参道近くには比較的大きな木が根を張るその上に幾つもの大石が乗っていたりする。
縁起を記した碑文「三篠神社略記」には旧三篠町の神社を合祀したことなど*2の変遷があり、元来の楠木大明神などの頃から規模を大きくしていったものの、「原子爆弾のため樹令三百年に及ぶ境内木と共に烏有に帰す」となる。
爆心との距離の近さによって新庄之宮のようには残ることができなかった。碑文末尾には「境内地は都市計画のため狭隘となる」ともあり、建物や樹木の往時を惜しむ気持ちが表されている。