戦前からの太田川橋は現在地より少し上流にあって、太田川改修にともなって新たに架橋されたのが、現在広島方面行きの車線に使われている「太田川橋」。
道路改良と河川附帯工事の合併施工により、旧太田川橋の下流20mに架橋地点を移して、前後の取付道路の線形を改良し、
『太田川改修三十年史』p410
洪水の際上流からの流木が多く、また川床勾配も急であるため、低水敷部分のスパンをできるだけ大きくとること。周囲にマッチした吊橋型を採用したいことなどより、美観的で治水上有利なハンガー式ゲルバートラスを選んだ。
『太田川改修三十年史』p413
昭和55年完成の新太田川橋と並べると橋脚の多さが目立つけれど、架橋当時としては長いスパンになるような工法が選ばれた。
上部工の架設工事完了が昭和31年12月29日。「建設省建造」の銘板が白い塗装に埋もれて読めるような読めないような。