環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

小屋浦(こやうら)

坂町小屋浦案内図

安芸郡坂町「小屋浦一丁目〜四丁目」の住所表示は平成11年2月1日から実施された。坂町に大字は設定されていないので、「小屋浦」は小字として存在した。
町の北部に「坂浦」とその付浦「横浜浦」があり、中央に聳える天狗岩が南の「小屋浦」を隔てる。
「浦」とは、「近世では海岸に面した地域で、漁業権、網場などの権利、石高が定められ、村と同格に扱われた行政単位としての村も存在した。*1」というもの。この三つの「浦」はまとめて「坂村」という行政村に含まれるが、別々に組頭が置かれ、石高は坂・横浜で772石余、小屋浦で69石余*2といったふうに分けて集計される。

町の中心を流れるのが「天地*3川」。川を遡ると天狗岩の東の「天地峠」に至る。峠を越えると「総頭*4川」が坂浦方面に流れる。呉線が海岸沿いに通るまでは、この峠道が主な経路だった。

*1:角川日本地名大辞典34広島県

*2:寛永15年

*3:てんち

*4:そうず