石碑に刻まれる頻度の高い「碑」の字の場合、右上の点があるものも無いものも目にしやすい。下は南区比治山公園の加藤友三郎像跡の記念碑跡。
甲骨文字の「卑」にまで遡ると、「上部は杯形の器の形。下部はその柄を手にとる形で」(字統 新装普及版p710)あったから、点ではなく柄の部分が突き出たり出なかったりという違いになる。下部の縦画に連続すると「申」や「甲」になるし、上下とも突き出なければ「田」となる。旧字体の場合「日」の中央を「丿」が貫通する形をとるので、現在通用の字体よりも画数が少ない。
呉市天応の例は上下の点がはっきりと書かれる。下の点は線のようになって「サ」のような配置をとる。
呉市吉浦の例*1は強い連綿で、点の現われる隙がない。