環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

御座船の格納庫

歴史館のほど近く、桂ヶ浜の松林の中に「厳島神社御座船格納庫」と書かれた建物が。

側面にある説明板が御座船の由来を記している。
管絃祭のはじまりとして、都の「管絃の遊び」をもたらしたという平清盛から言及があり、御座船そのものの記述は『厳島道芝記』*1 *2巻六「年中行事」から引用される。宝永年間から倉橋島の善右衛門が船を献じた、という記述は『藝藩通志*3巻十四「祭祀祈祷」から引用される。どちらも『宮島町史 資料編・地誌紀行1』に収録されている。
以来、善右衛門の子孫による毎年の建造があり、大正12年に「管絃船倉橋御用講」を組織、と続き、

昭和三十七年から諸般の事情により厳島神社が管絃船専用の和船を倉橋の造船所に造らさせ、これを倉橋町において保存管理するようになった。

という現代の説明でまとめられている。

*1:説明板では「厳島道生記」

*2:小島常也著.元禄15年刊

*3:文政8年